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モーツァルトと楽譜



最近、続けて2人の生徒さんと、モーツァルトの楽譜選びについてお話しする機会があったので、そのことについて少し書いてみます。

結論としては、原典版を使うのが良いということです。原典版とは、作曲家の意図を可能な限り忠実に再現した楽譜です。なぜ原典版を使うのが良いか、その理由の一つにスラーの問題が挙げられます。少し説明してみましょう。

モーツァルトの作品を演奏する際、スラーの切れ目では音を切る必要があります。(具体的な切り方については日頃のレッスンでよくお話ししています。)

しかし楽譜によっては、スラーの記入されている箇所が原典版と大きく食い違っているものがあり、このような楽譜を使って勉強すると、音楽的にまちがった演奏になってしまう恐れがあるのです。

スラーの切れ目は文章における句読点と似ています。私たちは文章を音読するとき、句読点で区切って読みます。そうすることによって、聞いている人にも意味が伝わりやすくなります。ところが、句読点の位置があちこちまちがっていたらどうでしょうか?

例えば「むかしむかしあ。るところにおじい、さんとおばあさ、んがおりましたおじ。いさんは〜」と書かれた絵本があったとして、このとおりに子どもに読み聞かせてみたら、子どもは「変なの!」と言うことでしょう。

音楽も同じです。まちがったところで区切って演奏すると、とても変な曲に聞こえてしまいます。スラーは句読点と同じように大切ですので、正しく書かれている原典版(モーツァルトであればヘンレ版、ベーレンライター版など)のご使用をおすすめします。



 
 

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